【Memorystore】カウントアップする ID を返す API 作成

Cloud Run で Memorystore（Redis）を利用してカウントアップする ID を返す API を構築する方法について、手順を簡単にまとめてみました。

Memorystore（Redis）のインスタンスの作成方法

手順

インスタンス画面の行き方

「Google Cloud Console」にアクセス
「Memorystore」 >「Memorystore for Redis」に移動
「インスタンスを作成」

インスタンスの設定入力

名前: インスタンスの名前を入力
リージョン: Cloud Runのリージョンと一致させます
ゾーン: 任意のゾーンを指定（「任意のゾーンを使用」でも構いません）
ネットワーク: VPCネットワーク（後述するCloud Runの設定で使用します）

必要情報を入力後に「作成」ボタンをクリックし、インスタンスの作成を完了します。

Cloud Run と Memorystore の通信設定（ネットワーク設定）

Cloud Run から Memorystore にアクセスするには、同じ VPC ネットワーク内に接続する必要があります。以下がその設定方法です。

手順

VPC ネットワークの設定

Memorystore インスタンスで使用する VPC ネットワークが作成されていることを確認します。
「VPCネットワーク」 >「VPCネットワークのピアリング」から必要な設定を行います。

サーバーレス VPC アクセスの設定

Cloud RunからMemorystoreのあるVPCネットワークにアクセスするために、サーバーレス VPC アクセスのコネクタを作成します。
「VPCネットワーク」 >「サーバーレス VPCアクセス」に移動し、「コネクタを作成」をクリックします。
名前、リージョン（Memorystoreと同じリージョン）、サブネット（CIDRブロック）を設定します。
作成したVPCアクセスコネクタの名前をメモしておきます（Cloud Runで使用します）。

Cloud Run の VPC コネクタ設定

Cloud Run サービスの作成または設定変更画面で、「VPCコネクタ」に先ほど作成した VPC アクセスコネクタを選択します。
トラフィックのルートを「すべてのトラフィック」に設定すると、Cloud Run から VPC ネットワーク経由で Memorystore にアクセスできるようになります。

Cloud Run（Python）

Flask と Redis クライアントを使用して Cloud Run から Memorystore の Redis インスタンスにアクセスし、カウントアップする ID を返すコードを作成します。

パッケージ

Flask と redis のパッケージをインストールします。

$ pip install Flask redis gunicorn

python code

Flask で Redis に接続し、カウントをインクリメントする API を構築します。

from flask import Flask, jsonify
import redis
import os

app = Flask(__name__)

# Redis接続設定
REDIS_HOST = os.getenv("REDIS_HOST", "10.25.114.179")  # MemoryStoreのIPアドレスを環境変数で設定
REDIS_PORT = int(os.getenv("REDIS_PORT", 6379))
REDIS_COUNTER_KEY = "counter-test"# Redisクライアントの初期化
redis_client = redis.StrictRedis(host=REDIS_HOST, port=REDIS_PORT, decode_responses=True)

@app.route('/get_next_id', methods=['GET'])
defget_next_id():
    try:
        # Redisのインクリメント機能でカウンターを増加
        next_id = redis_client.incr(REDIS_COUNTER_KEY)
        return jsonify({"next_id": next_id}), 200except redis.RedisError as e:
        return jsonify({"error": str(e)}), 500if __name__ == '__main__':
    app.run(host='0.0.0.0', port=8080)

Dockerfile

# Pythonのイメージを使用FROM python:3.12.2

# 作業ディレクトリの設定WORKDIR /app

# 依存関係のインストールCOPY requirements.txt .
RUN pip install -r requirements.txt

# アプリケーションファイルをコピーCOPY . .

# 起動コマンドCMD["gunicorn", "-b", "0.0.0.0:8080", "main:app"]

requirements.txt

Flask
redis
gunicorn