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【情報 TNX】1.8MHz 逆V 修理レポート - JH1LHVの雑記帳

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友人の JH7VHA 柴田さんから、1.8MHz逆Vアンテナのローディングコイルが焼損し使用不能となったため、修理を行ったレポートが届きました。いつも素晴らしい記事を投稿していただき、ありがとうございます。

以下、JH7VHA 柴田さんから頂いた情報です。

2024年10月の連休前
当局の 1.8MHz 用ダイポールアンテナが、VSWR>5 になりました。
いつもアンテナアナライザーで測定して、VSWR 1.0<1.5 でしたが
点検してみたら、ローディングコイルが焼けて、その中に水が入っていました。

写真1

7/1.8MHz 用ダイポールアンテナ(ダイヤモンドアンテナ製 W719)です。

赤点線部分が全長で、赤丸部分がローディングコイルです。
コイルは 7MHz の遮断と1.8MHz の短縮として、動作します。

7/1.8MHz 用で全長 30m と、比較的設置しやすいことや
1.8MHz 帯で SSB での運用が許可になったことからか?
良く売れているそうです。

当局では、このアンテナは 1.8MHz 専用で使用しています(7MHz では使用していません)
最低地上高が低いため、7MHz 1KW では防護指針をクリアできませんせした。
インターフェアの心配もあります。

写真1の右側コイル


拡大


写真1の左側コイル

内部でスパークして、被覆が熱で溶けたみたいです。
こうなっても、7MHz は VSRW<1.5 です。遮断の役割は果たしています。
錆具合から、最近焼けたものと思われます(そういえば、ロングラグチューしてました)。
雨が降っていました。雷は発生していなかったと思います。


被覆を剥がして、乾燥させました。

写真左側が給電点側です。導通は有ります。
コイルの線間にギャップゲージが入リません、間隔はほぼ有りません。被覆塗料による絶縁です。
ちゃんと計算して設計されているのでしょうが、100W でも危険なようにも見えます。

W719 の耐入力は、1.2KWPEP(SSB), FT8 では 1/5 以下とトリセツに書かれてます。
SSB オンリーで 50W ~ 1000W で運用していました。
ここに何ボルトが掛かったんだろう?
火花が飛ぶくらいだから、かなりの高電圧だと思います。
実際の運用時においては、机上計算では想像もできないことが起こるんですね。

間隔を開けて巻き直して、何かの短縮コイルとして再利用してみます。

メーカーにコイル2個を注文してもらいましたが、2~3ヶ月かかるそうです。
プラス 5,000円 で W719 一式が買えます。在庫もあるそうです。
それじゃー到着まで、自作のコイルで遊んでみることにしました。


IV 線と RG5 8同軸ケーブルで 7MHz トラップコイルを作成しました。調整中の写真です。


7MHz トラップを取付けました。
ここまでは、W719 の純正 IV 線エレメントです。

ここから先は 1.5mm ステンレスワイヤーを使用しました。
近くで見ると綺麗です。
遠くからは、ステルスアンテナです。


ローディングコイル1です。(10m)


ローディングコイル2です。(15m)(CG ではありません)


3連コイルです


W719 改の完成です。
全長は 5m 長く、35m になりました。
共振点(VSWR = 1.0 インピーダンス = 50Ω)は、7.10MHz, 4.02MHz, 1.86MHz の 3 点です。

1.8MHz は使用可能範囲が広がって、SSB帯全域で VSWR<1.5
(W719ノーマルは 1.854 ~ 1.866MHz で VSWR<1.5 でした。)
短縮アンテナの長さが長くなって、短縮率が少なくなったためだと思います。
1.8MHz 用のアンテナなので、今回はこれで良しとしました。

今後は 4.02MHz の共振点を 3.66MHz にしてみたいです。
なぜ 3.66MHz なのかというと、私のアンテナ(CD社製 330V2A)では
3.66MHz は VSWR が高くて ON AIR 不可能だからです。
3.60MHz は VSWR が低いのですが 
そもそも 330V の CHANNEL 切替スイッチに「3.60」はありますが「3.66の」文字がありません。

というか、コイル注文しなくても良かったのでは?
まー、純正部品なので、保管しておきます。


エレメントの両端は、モービル用マグネット基台を屋根に貼り付けて固定しています。
貼る位置を変えることにより、水平面、垂直面の角度が変わります。
水平面120° 垂直面120° 地上高 11m で VSWR = 1.0 になります。
水平面180° 垂直面90° では VSWR = 1.4 になります。
写真1の右側屋根のマグネットです。1年でこんなに錆びていました。


錆びを落として、ローバルスプレーを塗りました。


ペタンと貼り付けて、補修完了
また来年点検します。


写真1の左側屋根のマグネットも錆びていましたので、同じく補修しました。

以上となります。



■ ■ ■

今回も素晴らしい記事をありがとうございました。

1.8MHz 帯の逆 V アンテナの修理、お疲れ様でした。1.8MHz 帯のアンテナは大きな敷地を必要とするため、私には運用が難しく、設置できる環境が本当に羨ましく思います。

ローディングコイルの焼損を発見し、自作コイルを使って調整を重ねたプロセスは非常に興味深く、勉強になりました。このようなトラブルに柔軟に対応できるところが、アマチュア無線の醍醐味ですね。また、自作した改良版のアンテナで複数の共振点を得られたのは素晴らしい成果だと思います。

最終的に、1.8MHz 帯の運用範囲が広がったとのことで、修理の効果が十分に発揮されてよかったです。私もいつかこのようなアンテナを張って、1.8MHz での運用に挑戦してみたいものです。

引き続き、運用と定期的なメンテナンスを楽しんでください。
次の記事も楽しみにしています。

 


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