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004 - きらきら星と

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殴られる瞬間に穴があるのを知っている?時間に穴がある。何も感じない、何も無い間が僅かに存在する。
その間を感じてから畏れと痛みがほぼ同時に襲いかかり、地面に付いた手の感触と、恥ずかしさと自分の中にあるお城が崩れる。お城はもう、見る影もない。大切にしてしたそれは瓦礫だ。
修復は不可能だ。唯一、出来ることは城を後にして、新しく大切に出来る場所をさがすことだけだ。なのに執着し、がれきを眺め、なみだを零し、息をもらす。うまくできない。

うまく、できない。
泣いて、喚いて、ものを投げ、辺りのものをひっちゃかめっちゃかにして、あきらめる。あきらめたらはじまる。そのお城は瓦礫になった。新しいもっと素敵な私のお城を作ればいい。それって簡単と思う?簡単じゃない。だけど、とわたしはもう一度わたしのためにお城を作り始めた。

ね?怖くない場所が必要だった。
準備して努力して、飲めないものも自分のために飲んでわたしはわたしの場所を少しだけ作る。こうしたい、という気持ちはわたしのためにある。あった。
暴力はぜんぶを薙ぎ払う。
育ててきたたくさんのものもいらない、と思った。残りの人生は食玩に着いてくるラムネだった。
目的を失って、後は死ぬだけなら一番いい方法を探そうと思った。わたしに纏わるいろんなものをどうやって処分しよう?

物なんてどうとでもなる。心配なのは呪いみたいなこの体。燃やして朽ちてもなお残るもの。
だれも必要のないこの体を社会的にも納得させるだけの根拠を持って処分したい、そう考えていた。お墓も祈りもいらない。
思い出してくれなくてもいいよ。

そうして転職した。うまく生きていけるのなら、それでいいしダメそうなら方法を伝えたかったんだよね。ごめんね。
これを書いている今も死にたいとか思わない。
ずっと強烈に胸にあるのは死ななくちゃならないんだろうな、という思い。

毎日疲れた、と思う。
毎日もうがんばれない、と思う。

頑張っても頑張っても、邪魔される。私が死ぬ思いでやってきたことを邪魔される。
被害者みたいな顔して、なんで、こんなこと、するんだ?って一番嫌なことを何度だってやられる。

ああ、死ぬしかないのかな。
こんなにも死にたくないのに。
こんなにも人生は美しいと知っているのに。


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