海外移住をしてかれこれ25年以上が経ち、50代半ばを目前にして「終の住処」って言ったら大袈裟ですが、そろそろ先々のことを考えています。 お互い老後は日本という点で、妻とも考えは一致しています。
海外では(少なくとも、私が働いている業界では)定年というものはないのですが(人事確認済み)、60歳までには日本への帰国を考えています。 これまでずっと賃貸暮らしだったので、この帰国のタイミングでどこかに住宅を購入する予定です。
こういう経緯から、住宅ローンにまつわるリスクついて考えてみました。
金利上昇リスク
言わずと知れた問題ですね。バブル経済崩壊以来、長らく超低金利が続いた日本ですが、ようやく金利のある正常な状態に戻るって感じです。 もちろん、ローンを組む側からしたら低金利でお金が借りられる(金利負担が少ない)ので、より高額な物件を購入することができます。 しかし、お金を預ける側からすると100万円預けて、利息100円ってどういうことってなりますよね。とても異常でアンバランスな状態だと思います。
頭金はなるべく抑えて住宅ローンを組んで、残金を高利回り金融資産で運用したらいいって言うFPもたくさんいますが、それって本当に正しいのでしょうか?
運用リスク
確かに、低金利でお金を借りて、それを株式とかの高利回り金融資産で運用できたらいいですよね。 私も、NTT(9432)や東京三菱UFJ(8306)といった新NISA人気銘柄を保有していて 配当利回りがNTTで3.51%、東京三菱UFJで3.15%(2024年10月15日現在)です。 しかしながら、NTTの平均取得株価が155円ですので、すでに5%以上のマイナスです。 NTTは、直近の高値からすでに25%弱下落しているので高値掴みしたら、そうそうに換金することができませんよね。
どんなに景気が悪くなろうが、株価が下がろうがローン残高は変わりません。株価が右肩上がりだったらいいのですが、株式相場の正確な予想は誰にもできません。 住宅ローンという大きなリスクを背負いながら、株式投資という別のリスクも同時に背負うというのはとても危険な考え方だと思います。
しかしながら、「機会喪失リスク」という言葉通り、投資をしないリスクというのも存在するので、ある程度の余剰資金で比較的安定した銘柄を選ぶのも
一つの手だと思います。あくまで、余剰資金で長期運用がポイントです。
イベントリスク
イベントリスクといったら、金融危機や経済危機といったものを想像しがちですが、子供の大学(国立 or 私立)進学はたまた海外留学といった当初想定していなかった
イベントが常に発生します。子供の将来を潰したくないし、できる限りのことはしてあげたいと思うのが親心。また、現在働いている会社を突然クビに
なるってことだってありますよね。海外では(特に外資金融機関)、景気が悪くなるとすぐリストラをします。
どんなときでも、住宅ローンや子供の教育費は重くのしかかってくるのです。
為替リスク
最近、S&P連動型投資信託とかオルカンなんて流行っているようですが、個人的にはあまりオススメしません。もちろん、参入時期によっては全然ありだと思いますが、 株式投資というリスク資産に対して、為替リスクもつける、それプラス住宅ローンってリスクのオンパレードって感じです。
以前、イギリス株に投資していましたが収益を円ベースで考えていたので、株価プラス円換算ってとても面倒になってやめてしまいました。(以前のブログ参照)。 私の場合、お給料がドルベースなので、ドルでの投資はありですし、将来日本に帰国するので円での投資もありだと考えています。実際、1ドル160円のときは、こっちの貯金を ほぼ全額円に換金しました。
外貨で投資、貯金する場合、将来投資している外貨を使うことを前提に考えれば問題ないと思います。
結論
頭金はしっかりためて無理のない住宅ローンを組むべし
機会喪失リスクを避けるため、余剰資金で株式投資をするべし
外貨建て投資信託は、為替リスクが発生するのでエントリーポイントが非常に重要、将来運用通貨を利用できればよし
住宅ローン、株式投資、将来の起こりうること… すべてにリスクが介在する
こんな感じで考えています。せっかく、今まで頑張ってきて人生において一区切りついたのに、老後になってまでお金の苦労はしたくありません。 リスクを予め理解して、しっかりとした無理のない計画を立てたいものですね。
読んでいただきありがとうございました。