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ぷるぷる君の日常1-3 - 趣味の統計

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変身記録をよく見てみる

前回のお話し。
almondfish.hatenablog.com

前回、実現値って「仮の姿」だよね~って書いたのだけど、けっこういい感じだと思ってます。統計学の用語では「実現値」っていって、「夢が実現したぜ~」ていう晴れやかな感じがありますが(あるのか?)、そんなたいそうな意味があるわけもなく(ないんかい!)、今回はたまたまこの値でした~というだけのことなんですね。だから、「うーん、仮の姿かあ・・・」というもやっと感を残しておいた方が、実現値を絶対視することがなくて、いいんじゃないかなあ~と思ったりします。

さて。前回できなかった、ぷるぷるーるの解説にすすみましょう。

ぷるぷる君1号の変身記録(1)
1,0,0,1,1,0,1,1,1,0,0,1,0,1,0,1,0,1,1,0,1,0,0,0,0,1,1,1,1,0,1,0,1,...
ぷるぷる君1号の変身記録(2)
0,0,1,0,1,0,0,0,1,0,1,1,1,0,0,1,1,0,0,0,1,1,1,0,0,1,1,0,1,0,1,1,0,...

ぷるぷる君1号の変身記録の特徴として、「1と0しかない」を仮定しました。ぷるぷる君1号は、1か0か、どちらかの値にしか変身しないという「ぷるぷるーる」を守っていると仮定して、話を進めていきましょう。

たくさん1と0が並んでいますから、ちょっと整理したくなりますね。1と0がそれぞれ何回ずつあるか、数えてみることにします。

数えてみたところ、記録は両方とも33回ずつ。そのうち、(1)は、1が18回、0が15回。(2)は、1が16回、0が17回。(白状しますと、(2)の変身記録を少々いじってあります。大人の事情で。検証したい人は前回の記事を見てください!)さしあたり、「1も0もだいたい同じくらい好き」というルールと考えてよさそうな気がします。

まとめましょう。

ぷるぷる君1号のぷるぷるーる

  • 1になったり0になったりする。そのほかの値には(たぶん)ならない。
  • 1になるのと、0になるのは、だいたい同じくらい。どっちかが好きではなくて、どっちも同じくらい好き。

よく似ているルール、知りませんか?

さて、ずいぶんぷるぷる君1号でひっぱりますが、ぷるぷる君1号によく似たもの、知りませんか? 日常的によく使うモノですが、「1と0」という言い方をしないのでピンとこないかもしれませんね。

はい。コインです。硬貨です。10円玉(いえ、別に100円でも1円でも、1セントでもかまいません)です。

通常、コインを投げたときは、「表と裏」のどちらかしか出ません。オレのコインは時々垂直に立つんだぜ!という方もいらっしゃるかもしれませんが、私はお目にかかったことがありません。あたしのコインはね、ときどき、空中でくるくるしたまま止まるのよ~!という方にもお目にかかったことがありません。コイン投げたら排水溝の中に落ちてなくなっちゃった~(泣)という方はおられますか? お気の毒さまです。コインを投げるときは、まわりによく注意いたしましょう。

ぷるぷる君1号のぷるぷるーるを、統計学の言葉ではこう書きます。

(公正な)コインの確率分布(公正なコインを投げた時に、出る面=表か裏かを確率変数と考え、その確率分布を考える、ということ)

  • 表(1とする)とウラ(0とする)のいずれかの値をとる
  • 表とウラは同じ確率で出ると期待される

というわけで、ぷるぷる君1号は、由緒正しい、ベルヌーイ家のご出身なのでした。

ん? ベルヌーイ家? フランス貴族?

今日の統計用語

ベルヌーイ Jakob Bernoulli
スイスの数学者。フランスではなく、スイスでしたね。いや、そこはどうでもいいんですけどね。死後に出版された「推論術」っていうのが有名らしくて、確率の計算を「大量現象の解析と結びつけた」らしい。「ベルヌーイ試行」とか「大数の法則」とか。そのうちお話に出てきそうですねえ。

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