Linux強化期間として『Linuxの教科書』『本気で学ぶLinux実践入門』と読んできましたが、3冊目としてこちらを読みました。
この本の対象者、立ち位置については著者の武内さんが公開しているスライドで説明されているので、気になってる方はこちらを参照してみてください。
Linux関連の最新状況にキャッチアップするための本「入門モダンLinux」 - Speaker Deck
感想
ページ数としては248ページと、技術書としては比較的薄めで読みやすい部類です。早い人なら1週間以内には読めるレベル。内容としては、スライドの「本書の立ち位置」にもある通り、初心者用の入門本と上級者向けの知識が程よくミックスされているものでした。扱っている内容はLinuxとは何か、Linuxカーネルとは、シェルスクリプト、ファイルシステム、ネットワークetc...と、とても幅広いです。Linuxカーネル、ファイルシステム等のトピックは上級者向けの内容を含む一方で、ネットワークやアプリケーションなどは割と入門的な知識に触れられているだけだったりと割と内容にムラがある感じはします。とはいえ、これから中級者を目指していこうというレベルでいきなり高度なトピックを詰め込まれてもパンクしてしまうので、本全体としてはバランスが良いように思いました。
タイトルにある肝心の「モダンLinux」という部分ですが、前述の通り入門的な内容を多く含むためにさほどモダン感は感じられませんでした。一応、標準コマンドの置き換えとなる最新コマンド(exaやbatなど)の紹介があったり、fishの紹介があったり、コンテナ技術の説明があったり、最新のパッケージマネージャーを紹介したりと、モダンっぽい内容は随所にありました。Linuxの本には古いものも多く、時節の影響を受けやすい最新技術を紹介する本は珍しいのかもしれません。環境のアップデートができていない人間には試してみたくなる技術の説明が多くありました。かくいう私もこの本を読んでfishに移行したり、tmuxを使うことを決意しました。
全体として、一部難しい内容を含むものの、何かしら入門書を一冊読んでいれば全然ついていけるし、興味深く読めるレベルだと思います。初心者→中級者のステップアップの1段階目としてはちょうど良いです。あと表紙のペンギンがかわいい。
次はいよいよ本丸の『Linuxの仕組み』に挑戦します。それでは~