「絵を見る技術 名画の構造を読み解く」という本を読んでいて、スクラムマスターで重要な「観察」に応用できる気づきがありました。忘れないようにまとめておきます。
どんな本なのか
「スクラムマスターの気づき」について書く前にどういう本なのかを簡単にお伝えします。この本はレオナルド・ダ・ヴィンチのモナリザやフィンセント・ファン・ゴッホのゴッホなど、名画と呼ばれる名画は何がすごいのかを見れるようになる本です。
きみは見ているが観察していない。その差は明白だ。例えば……
このシャーロックホームズの引用から始まる本書は名画を観察できるようになる書籍です。絵の見方を学ぶ本です。どうやって観察するのか?と言いますと、常に問いを立てながら見るということです。
例えば、絵の中には主役があります。フォーカルポイントと呼ぶそうです。なので、まずは「フォーカルポイントは何か?」という問いを持って絵を見ます。フォーカルポイントを見分けるコツも沢山あります。リーディングライン、光、コントラスト、などなど。絵を見るには様々なコツがあるのです。言い換えると様々なパターンがあるのです。そのパターンを多く知った状態で絵を見ると問いが生まれ、絵の見方が分かるということです。
単純に「きれいだなー」という感想から「フォーカルポイントがここにある。だから散らばっているように見える小物もフォーカルポイントに誘導するように置かれていて……。そもそも歴史的な背景は……」というように解像度高く絵を見ることができます。
スクラムマスターの観察も問いとパターンが必要かも
さて、話をスクラムマスターに戻します。スクラムマスターは観察が重要だと言われます。スクラムマスターを学び始めた頃、「観察が重要だ」と言われても見るのと観察は何が違うのか?という気分でした。今もはっきりと説明できる自信はなかったです。重要なのは分かるけどいったいどうすれば良いのか分からないと思っていました。
本書から気づいたことは、「問い」と「パターン」ですね。
組織に関するパターンの知識を蓄えて、それをベースに問いを立ててチームを観察すると改善ポイントが浮かび上がってきそうです。たとえば、チームのコミュニケーションパスはどうなっているのか?意思決定するときのプロセスはどうなっているのか?全員が平等に扱われているのか?特定の人に負荷はかかっていないか?学習する習慣はあるのか?などなど。
そうすると、チームとしての課題が見つかり改善できるようになります。自分のことって案外自分では分からないので、開発者たちで自分で見つけるは難しい。だから一歩引いたスクラムマスターが観察してチームにフィードバックすると良いのでしょうね。
写真を撮る時の参考になるかなーって思って読み始めた「絵を見る技術 名画の構造を読み解く」でスクラムマスターの観察のヒントが見つかるとは思いもしなかったなー。